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リンソン王子をバカにしたように嗤うゲノルを見て、リラは思わず疑問を発した。
「そんな風に嗤うのに、何であんたはあんな奴の取り巻きをやっていられるの?」
ゲノルは何か企んでいるようにニヤリと笑む。
「強い奴には従う、媚びる。それが上手な生き方だろ。お前もさっさと従っちゃえば楽になれるんじゃないか?王の愛人なんて、一生遊んで暮らせそうだしさ」
「……嫌よ……絶対に嫌!」
リラはまっすぐゲノルを見る。
「いつかは必ず従って媚びなきゃいけないのなら、なおさらあいつが王位を継ぐ前の今だけは、とことん抵抗してやる!」
気づけばリラの眼から悔し涙があふれてきて、リラは急いで袖で涙をぬぐいながら家に逃げ帰った。
家族のみんなが心配してリラのところに集まり、リラは平常心を装った。
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