風の国

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「リラ、リラ、大丈夫?」 スリフは、未だに川に座り込み腰辺りが水に浸かっているリラに駆け寄った。 「痛いでしょ?立てる?お医者さん呼んできた方がいいよね?」 そう言って今にも駆け出して行きそうなスリフを、リラは止めた。 「大丈夫。痛くないよ。ずぶ濡れにはなったけど、洗濯中はたまになるし……」 「痛くないわけないわ!思いっきり蹴られたのよ!」 スリフがヒステリックに声を荒げるが、リラは確かに脇腹に何か当たった感触はあるものの、それだけで、本当に痛みは感じなかった。 「あんなに思いっきり蹴られたのに……」 「思いっきり蹴っているように見せてたんじゃない?」 「何でそんなことを?」 「……さぁ?」 とりあえず仕事を片付けて、着替えてからいつもの丘へ上がる。 そこには先にゲノルが来ていて、スリフがキッと睨みつけるが、彼はそれを完全無視でリラに駆け寄った。
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