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自分とは
ごく普通の女性の、ある1人の人生を語る。
戦後数年ちょっと経った頃、瀬川マリはごく普通の家庭に生まれた。
テレビは白黒の脚つきテレビ、洗濯機は当然二層式。電柱は木で出来ていたから夏には蝉がよくとまっていた。
子供の頃はおかあさんごっこと題して泥と水を混ぜ合わせ、ハンバーグを作ってはおとうさん役の友達に出してよく遊んだものだ。そんな時代は素朴だけど、今思えば人とのふれあいが温かいと思える時代だった。
彼女は小・中学の成績は中の下でパッとせず、スポーツはそこそこ出来るものの突出したものはなく、バスケやらせても走らせても速いのだけど、そこそこはそこそこ。
高校になり周りの子は将来を考えるようになり、だけどマリはガソリンスタンドで威勢良く働くことに興味を持ち、進路希望カードにはガソリンスタンドと書いてあとから先生に呼ばれ、なぜか注意された。
そして専門学校へと進み、彼女は夢を膨らませるべく新しく学ぶことを楽しんだ。
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