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鬼子童子・神野闇己
齢、三つ。生まれながらに総白髪、歯も生え揃って生まれてきたため、鬼子と呼ばれ、気味悪がられていた。
成長も獣の子のように早く、三つになった今、十歳くらい外見をしている。
彼の名は、神野闇己。
陰を重ねた名前は、彼の生そのものを表しているのかもしれない。
鬼子童子と呼ばれる闇己。その父親は不明、母親は神に仕える一族の末娘。
宮司と巫女の家系に生まれた闇己に、少し早めの試練が与えられた。
「新しい稲荷神社に仕えなさい」
闇己の母は一通の文を見せ、伝える。その文の内容は言葉通りのものだった。
「でも、あなた一人で社と神に仕えるのは厳しいと思うの。だから、あやかしと契約して使役出来るようにした方が良いわ」
そう言って母は、もう一通の文を差し出した。
闇己が受け取り、内容を確認すると現世とあやかしの世界の間――夢現の地図だった。
「私の社に仕える蓮の所在よ。今、暇を与えているから、夢現に戻っているはず。あの子ならあやかしにも詳しいし、良い助言を貰えると思うわ」
狭間の世界である夢現、そこに社の使い・蓮が居るのだと言う。
闇己が蓮と会話をしたのはたった数回。
それも母が居るときにだ。
いくら母の紹介とは言え、まだ幼い自分が相手にされるのかと不安に思いながら、闇己は狭間の世界・夢現へと向かった。
▽▲▽
地図を確認しながら蓮が居るという館までたどり着く。
館の門前で戸を叩き、声をかけるが返事はない。
「蓮殿、おられませんか?」
再度、声をかけるがやはり返事はない。
仕方なく戸を開けて中へと入る。
館の奥に進むと明かりのついた部屋を見つけた。
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