働くということ

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「変な事考えてるでしょ。」 変な事? 変な事って何? 「要は俺の魂の相手だよ。絶対に離れたりしない。」 遥香がそうきっぱりと宣言する。 「僕が年取って、おじさんになっても?・・・」 僕は不安をぶっつける。 「要がおじさんになったら、俺もおじさんだよ。絶対に離れない。それだけは信じて?」 彼は僕に安心をくれた・・・ これからもいつまでも一緒だと・・・ 夏休み中も、 彼の携帯には、 何度も友人達から、 遊びの誘いの電話やメールが入って居た。 僕は知ってる・・・ 僕には何も無い・・・ 彼はその度に、 僕の為に断ってくれていた。 それは僕にとっては、 負担になっていて・・・ 彼は僕一人のものじゃない・・・ そういう気持ちが自然に湧いてきていた。 「遥香・・・いつも僕と一緒じゃなくて友達と遊んできていいんだよ?」 本心からそう言った。 「電話やメールのこと?気にしないでいいよ。俺が要と一緒に居たいんだから。」 そう言われても・・・気になる・・・ 「君を拘束したくは無いンだ。」 これも本心だった。 「拘束だなんて思って無い。俺はただただ要のことが好き。好きな人と一緒に居ることが、どれだけ幸せか分かる?」
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