紫陽花

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「あ、ありがと・・・」 これだけを言えた。 彼はすごく喜んでいた。 自分が役に立ったこと。 僕のお礼の言葉に、 すごく興奮していた。 「やっぱり俺達気が合うんだよ、明日からも君を護るよ。」 嬉しそうに嬉々として、 明るい顔を僕に向ける。 僕にはただただ眩しいだけ。 でも本当にありがたかった。 僕が嘔吐発作を起こさなかったのは、 本当に久しぶりのことで、 大学に通う最初の日から、 僕は困っていたんだ、 嘔吐発作のこと・・・ それをいとも簡単に・・・ 僕のこと、 本当に護ってくれた。 彼には本当に感謝しかない。 「大学まで一緒に行こう。」 彼が明るく言う。 僕は真っ赤な顔をし俯いたまま、 こくんとうなづいた。 もしかして、 彼は僕の人嫌いを、 治そうとしてくれてるんだろうか。 でもなぜそうまでして? 大学に着くまで彼と一緒・・・ 誰かと一緒に居るのは本当に久しぶりだった。 彼は色々と話しかけ、 僕の緊張を解いてくれた。 僕は彼のことを、 信頼し始めていた。 今までの誰かとは違うと・・・ 彼と居ると心地いい。 綺麗な顔で明るい顔で、 こんな僕に接してくれる。 皆に無視されてる僕のこと、 気にしてくれる。
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