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僕らは、
一緒に昼食を摂ることになった。
学食で・・・
僕は今まで、
誰かと昼食を共にしたことも無く、
学食に行くのも初めてだった。
彼はよく利用しているみたいで、
要領よく注文していた。
僕はいつも、
売店で買ったパンと牛乳を食べていた。
学食に入ったのはホントに初めてで、
不安だった。
多くの人が居る学食。
僕は誰にも会いたくは無い。
ドキドキしていた。
でも彼が居れば、
彼が居たら僕は平気なのかと思い、
彼に付いていった。
彼は日替わり定食を頼み、
僕も、
同じものにした。
こんなに食べられるかどうか不安だったけど・・・
「学食、初めて?結構美味しいし安いからお勧めだよ。」
定食を手に持ち、
席を探しながら彼は言った。
僕は、
下を向きなるべく他人と関わらないようにしながら、
彼の後を付いていった。
席に座り、
「ここでいい?」
彼が僕に問うた。
僕はこくんとうなづくしかなかった。
本当はもっと端っこの席に座りたかったけど、
彼が居れば・・・
僕の嘔吐発作は出ない。
なぜかそういう確信があった。
実際に、
食べ始めると、
意外に美味しいと思えた。
僕は好き嫌いが無かったけど、
美味しいと思えるものに出会った事は無い。
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