触れたい

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日曜日・・・ 僕は彼のベッドの上で、 目を覚ました。 セミダブルのベッドは、 僕のベッドよりも広くて、 少しだけ余裕があった。 彼はまだ、 スースーと、 穏やかな寝息を立てている。 そんな彼の顔をじっと見る。 誰もが好きになりそうな・・・ 整った顔・・・ 僕よりも、 筋肉の付いた身体。 僕より高い背。 なんで彼みたいな人が、 僕のことを思ってくれるんだろう・・・ 昨日の風呂は、 幸せだった。 皆の中で一番遅い風呂だったけれど、 彼はなんとか起きて居ることが出来た。 彼と服を脱がせ合う。 僕は恥ずかしさに頬が熱くなった。 ズボンを下ろされ、 僕らは裸になって、 僕の家の風呂よりも、 だいぶ広い風呂に入った。 無言のまま、 僕らは向かい合い座り、 お互いを、 念入りに洗った。 「要・・・きれい・・・」 彼がうっとりとして言う。 僕にしてみれば、 君の方がよほど綺麗だ・・・ 湯船に浸かる。 僕の家の風呂よりも広いので、 向き合って抱き合った。 「はぁ・・・気持ちいい・・・」 彼が僕の背中に手を回す。 僕も・・・ 彼の背に腕を回した。 僕は真っ赤になって震えた。 「要の肌・・・気持ちいい・・・」 僕の気も知らず、 彼は夢幻の世界に入っていく。
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