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「私はもう今回のことで諦めがついたんだ。無理やり付き合ったって、人の気持ちは変えられない。だから、私涼介くんのこと応援したいの。お願い、千里ちゃん。涼介くんの気持ち、考えてあげて」
莉乃ちゃんはハンカチを握りしめたまま、教室を出て行ってしまった。私は一人で取り残される。
そんなこと言われても。
もし、涼介が私のことをそんなに大事に思ってくれていたら、この前言っていた、大切な人っていうのが私だとしたら、すごく嬉しい。
だけど、どうしても自分に自信がなかった。
いつも私のこと、子どもっぽいってからかってきた涼介。私のことなんて好きなはずがない。
私だって、涼介には嫌いだとかたくさん言ってしまっている。
けんかばかりだったのに、私たち、今さらそういう関係になれるのかな?
教室を見渡すと、涼介はいつものように男子と楽しそうに話していた。涼介、本当は、どう思ってるの。私から、聞けるわけなかった。
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