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最近では、放課後も毎日文化祭準備があるようになった。みんなが浮足立ってる雰囲気なのに、一人取り残されたような気分だ。
涼介、本当に私のことが好きなの?
「千里、この予算のことなんだけど」
「あ、うん。えっと、ごめん、何?」
涼介が話しかけてきたのに、ぼうっとしていて聞き逃してしまった。
「なんか、元気ない?」
顔をのぞき込まれる。
近くにある涼介の顔にドキドキして、それをさとられないように顔をそむけた。
「そんなことないけど」
こればっかりは涼介に言えない。だって涼介のことで悩んでいるんだから。
「もしかして、島袋とけんかでもした?」
「えっ、どうして」
「島袋も元気無さそうだから」
涼介、本当に周りのことをよく見てるんだなぁ。感心する。教室の後ろにいる奈央をちらりと見た。奈央はこのところずっと元気がない。
「私とけんかしたわけじゃないけど。確かに元気ないんだよね。理由を教えてくれないし」
「ふうん。謎解きゲームのこと、行き詰ってたらいけないし今度聞いてみるか」
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