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 登校すると、生徒会室にすぐ向かった。中は全クラスの委員と生徒会メンバーたちとでぎゅうぎゅうだった。  あれこれと生徒会から注意事項を聞かされる。生徒会役員として、黒板の前に座る奈央をちらりと見ると、じっとプリントだけを見つめていて、やっぱり元気がなさそうだった。 「それじゃあ、いよいよ本番です! 委員のみなさんも楽しんで」  最後は爽にいちゃんの笑顔でミーティングは終わった。  教室へ戻ると、三宅くんがみんなを仕切りながら、最後の調整をしてくれている。 「もう、ほとんど準備OKだよ」 「そっか、ありがとな」  三宅くんと涼介が話している間に、私は奈央に声をかけた。 「奈央、ちょっとだけ時間あるかな?」 「え、うん。どうしたの?」  奈央と一緒に廊下に出る。  他のクラスの生徒たちも、教室に出たり入ったりとせわしない。いつもより廊下はざわざわとしていた。  これなら立ち聞きもされなさそうだ。 「あのね、今日の文化祭。奈央は好きな人と回ってね」 「えっ」  こちらからそらしていた、奈央の目がぴたりと止まる。 「どうして、それを知ってるの。私が好きな人いるって」 「だって、聞いちゃったから」  はぁ、と奈央が短く息をはいた。 「そうなんだ。仕方ないね。千里には黙っておくつもりだったんだけどな。だけど、一緒に回るなんて出来ないよ」 「どうして。出来るよ。私が教室に残っておけば大丈夫。三宅くんだっているし。ゲームのことは心配しないで、行って来てよ」
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