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教室に戻ると、涼介が心配そうに待っていた。
「島袋のこと、大丈夫そう?」
「うん、もう大丈夫だよ」
涼介に向けて笑いかけた。涼介は私や私の友達のこと、ちゃんと気にしてくれる。
これから気持ちを伝えると思うと、心臓がどきどきする。スカートの裾をぎゅっとにぎった。
「ねぇ涼介。今日の文化祭、一緒に回らない?」
思い切って聞いた。
「え、でも当番があるし」
「大丈夫! 私と三宅が見てるから。二人で言って来て」
奈央が助け舟を出してくれた。涼介がしぶしぶうなずいた。
「それならいいけど。じゃあ、交代にしよう」
「交代?」
「うん、まず島袋と三宅が休憩して好きに回ってきて。そのあと俺と千里が休憩するから」
「おっけー」
「じゃあ決まりな。開始して、少し落ち着いたらすぐ行ってきてもらっていいから。じゃ、そろそろクラスのやつらも集めて最終確認するか」
涼介がさっさと仕切ってクラスを集合させた。
いよいよ私たちの文化祭がはじまる。私と奈央にとっては、気持ちを伝える大切な日になりそうだった。
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