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「だって、俺ずっと片思いしてたんだから。何年も」
そう言われて、黙ってしまった。片思いって。
それじゃあ、涼介は。本当に?
「じゃあ、涼介って、私のこと」
口に出すと、声がふるえた。
涼介はちょっと笑う。
「そうだよ、俺ずっと好きだった。千里が、爽にいのこと好きな間も、小学生のときから、ずっと俺は片思いしてた」
ちょっと申し訳ないような気持ちになる。涼介は前に私の部屋で、ずっと大切な人がいるって言っていた。その大切な人って。
期待して、いいの? 本当なの?
「涼介の大切な人ってもしかして、私のこと?」
「そうだよ。千里以外、いないもん」
涼介はやっと手を離して、そっぽを向いた。
「なんだ、そうだったんだ……」
ほっとしたひょうしに、涙が出てきてしまった。
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