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爽にいちゃんって、あんなにもてるんだ……。 そんな当たり前なことを考えながら、奈央と別れてとぼとぼと家に帰る。結局、奈央には爽にいちゃんと元々知り合いだってことも、ずっと好きな人なんだってことも言えないままだった。 高校生になったら、爽にいちゃんと並べるくらいに大人で、そして毎日一緒に居られる。そんなお気楽なことしか考えてなかった。 だけど、学校にライバルはたくさんいるんだ。きっと奈央以外の生徒にも、爽にいちゃんはアピールされているんだろう。 「他の人のことなんて考えてなかった」 泣きそうになりながらつぶやくと、後ろから軽く頭をはたかれた。 「いたっ」 「何とろとろ歩いてんだよ、ばか」 買い物袋を下げた涼介だった。 「あ、涼介かぁ……」 「何かあった? また泣いてんの?」
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