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「えっどうして泣くんだよ」 「ううん。あのとき、涼介にそんなに思われる人って、いいいなって思ったの。それが私だったなんて、幸せだなって思って」  そう言うと、涼介がもう一度手を握ってきた。 「そうだよ。ずっと、大切に思ってた。爽にいのことが好きなら、それでもいいから、近くにいたかった。だけど、こうやって俺の方に向いてくれて、すごく、今嬉しい」 「ありがと、ずっと待っててくれて」  涼介の顔がそっと近づいて来た。私も、目を閉じる。  ふっと柔らかくくちびるが触れた。  好きな人とキスするって、こんな感じなんだ。ずっと近くにいた涼介と、お互い好きで、こうしているなんてちょっと信じられないけど。  すごく、幸せ。
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