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何で、すぐ私が元気ないって分かったんだろう。
幼なじみってめんどうくさい。
一瞬、涼介に「爽にいちゃんのこと、ライバル多いと思う?」って聞こうとした。でも、またバカにされそうで辞めて、首をふって飲み込んだ。
「なんだよ、心配してんのに」
涼介はぼそっとつぶやくと、手にしていたビニール袋を肩に担いだ。
「あ、買い物ありがとね」
お母さんたちに頼まれた、BBQの材料。涼介が持っているのにやっと気がついた。涼介だけに頼んでしまって、悪かったな。
「別に。友達できたんだろ、よかったな」
涼介は無表情のままそう言う。
涼介、私が友達と遊びに行けるように、買い物自分だけでしてくれたんだ。
一つも文句を言わずに。
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