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「高校生になっても、相変わらず童顔なんだな」 幸せ気分をぶち壊したのは、爽にいちゃんの後ろから出て来た涼介だった。 つんつんした黒髪をだるそうに触っている。目つきが悪くて、無愛想で嫌なやつ。 「何よ、童顔って。いつもバカにして」 私は丸顔で、背も小さいから、未だに小学生に間違えられる。見た目が子どもっぽいこと、気にしてるのに。それを知っていて、涼介はいつもいじってくる。 「子どもが制服着てるようにしか見えねぇ」 涼介は無表情のまま、私を下から上まで見て言った。 「涼介だってその制服、全然似合ってないから」 私は涼介を睨みつけた。涼介だって男子にしては背が低いから、新しい制服がだぼっとしている。 この涼介と私は、小さいころから、けんかばっかり。 なのに離れられない。なぜかというと、涼介は……。
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