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でも、私は、まだ着替えない。ちゃんと、爽にいちゃんに制服姿を、しっかり見てもらわないといけないもん。私にとってこの制服は大人の印だ。 「ただいま、遅くなっちゃった」  爽にいちゃんが、いつもの笑みを浮かべて庭に入って来た。 「あら、爽介。待ってたのよ」  美紀おばさんが嬉しそうに出迎えた。 「ごめんごめん。色々生徒会の仕事がね。あ、二人とも今日は入学おめでとう」  爽にいちゃんは、私と涼介に近づいてきた。 「別にぃ」  涼介は相変わらず、無表情のままお肉を焼き続けている。その横で、私は急いで爽にいちゃんに近づいた。 「やっぱりね、私あの高校にしてよかったよ。校舎もきれいだし、ほら、制服も可愛いし」  私は赤いネクタイをちょっと持ち上げて、爽にいちゃんに見せた。
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