14/16

27人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
 期待していたことだけど、急に逃げ出したくなる。どうしよう。 思わず目をあげると、爽にいちゃんの顔は、私の顔よりもっと手前で止まっていた。いつもと変わらない、柔らかい笑みを浮かべている。 「いつの間にか、千里ちゃんも涼介も大きくなったよね。これから楽しみだよ」  爽にいちゃんは、にこっと笑い、私の頭をぽんと撫でた。 そして、「じゃあね、早く寝るんだよ」と子どもに言うようなことを言いながら、あっという間に歩いて行ってしまった。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加