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「わっ。見て千里。生徒会長だ」  教室から廊下をのぞいていた、奈央が小さく声をあげる。見ると、爽にいちゃんと生徒会の先輩たちがこちらに歩いて来ていた。 「うん」 私も小さく返事をする。奈央に早く、爽にいちゃんと知り合いなんだって言わなきゃいけない。そして、好きなんだってことも。 みんなが爽にいちゃんに挨拶して、爽にいちゃんはそれに優しい笑顔で答えている。本当に人気者なんだ。 「これ、生徒会の入会案内です。みんなぜひ生徒会に入ってね」  にこっと爽にいちゃんが笑うと、女子たちはきゃあきゃあと騒いだ。そんな様子に、またライバルが増えちゃうなと心配になる。 結局、あのあとも爽にいちゃんから何か言ってくることはなかった。私の小さいころの告白なんて忘れちゃったのかな。 入学祝いで、爽にいちゃんからもらったシャーペンを取り出しながら考える。
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