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「あっ、千里ちゃん」
爽にいちゃんがこちらに気が付いて、手を上げた。
廊下にいる人や、教室のクラスメイトが一斉にこちらを向く。「えっ江藤さん、生徒会長と知り合い?」「意外だなー」なんて声が聞こえた。
はっとして、周りを見ると、みんな興味しんしんと言った顔でこちらに注目している。なんだか緊張してきた。私は注目されること、あんまり得意じゃない。できればそっとしておいてほしいのに。
しかも、爽にいちゃんは「千里ちゃん」っていつもみたいに呼んだよね。みんなの前なのに!
あっという間に顔が熱くなる。一気に色々なことを考えて、頭がごちゃごちゃになってしまった。
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