3

4/17
前へ
/182ページ
次へ
「あー。ごめん。寝ぼけた」  涼介が頭をぽりぽりとかくと、ぽかんとしていたクラスは、一気に笑いの渦に包まれた。 あれ、今ので緊張がとけたかも。 呼吸が楽にできることに気がついた。涼介の方に注目が集まったからか、いつの間にか平常心に戻っている。もうみんなの視線は私に向いていなかった。 「涼介、何やってんだよ」  教室の扉から、爽にいちゃんがのぞきこんで笑った。 「えっ、涼介も会長と知り合い?」 「そういや苗字同じ、城屋じゃん」 「兄弟か。全然似ていないのに」  クラスの話題は、一気に涼介のことになった。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加