27人が本棚に入れています
本棚に追加
爽にいちゃんは「みなさん、生徒会入会案内読んでね。ぜひ立候補して入ってください」と、プリントを近くにいた奈央の手に乗せた。
「ごめん、配っといてもらえるかな」
奈央は「はいっ」と笑顔で答えた。
その間に、涼介はみんながじろじろ見たり、うわさするのを気にする様子もなく、ひょうひょうとした顔で椅子に座りなおしていた。
「ね、さっき面白かったねー」
トイレに行きながら奈央が笑う。
「何が?」と聞き返すと、「ほら、あれ。何君だっけ、千里の幼なじみの……」と奈央は思い出そうとするように言った。
「あぁ涼介?」
「そうそう、城屋涼介くん。居眠りして椅子から落ちちゃうなんてさぁ。意外とおちゃめじゃない?」
「うーん、そういう子じゃないんだけどね」
最初のコメントを投稿しよう!