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爽にいちゃんは「みなさん、生徒会入会案内読んでね。ぜひ立候補して入ってください」と、プリントを近くにいた奈央の手に乗せた。 「ごめん、配っといてもらえるかな」 奈央は「はいっ」と笑顔で答えた。 その間に、涼介はみんながじろじろ見たり、うわさするのを気にする様子もなく、ひょうひょうとした顔で椅子に座りなおしていた。 「ね、さっき面白かったねー」  トイレに行きながら奈央が笑う。 「何が?」と聞き返すと、「ほら、あれ。何君だっけ、千里の幼なじみの……」と奈央は思い出そうとするように言った。 「あぁ涼介?」 「そうそう、城屋涼介くん。居眠りして椅子から落ちちゃうなんてさぁ。意外とおちゃめじゃない?」 「うーん、そういう子じゃないんだけどね」
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