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「いいなぁ」と思わずため息をついた。私はいつまでたっても子どもっぽいのに。 だから爽にいちゃんにも、告白したことすら忘れられちゃうのかな。 「さっ、上がらせてよ」  奈央はちゃっかりと私の家にあがると、お母さんに「クラスメイトの島袋ですぅ」と愛想を振りまいた。 「部屋二階だから、先に上がっといて」  先に奈央を部屋に行かせて、お母さんからケーキの乗ったお盆を受け取る。 「最近の子って大人っぽいのね」なんて、お母さんまで感心していた。 どうせ私は子どもっぽいですよ! なんだかますます自信がなくなってしまった。 「ね、城屋先輩の家って、あれ?」  奈央は私の部屋から見える、爽にいちゃんと涼介の家を指さして言った。 「そうだよ」
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