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大人っぽい女の子が家に来たからって、そんなに照れることないのに。だいたい奈央も、爽にいちゃんに会いに来たのに、どうして涼介と仲よさそうに話してるんだろう。 なんだか私だけ置いてきぼりにされたみたい。 「ね!じゃあさ、早く勉強済ませちゃおうよ」  二人の間に割り込むように、私は教科書をどさっと机に置いた。これ以上、二人のやり取りを見ていたくなかった。 奈央に勉強を教える涼介を、教科書を見るフリして盗み見る。 「ここ、分からない」 「ああ、この問題は、動詞がこれだから……」 涼介の説明は分かりやすい。 爽にいちゃんと同じ高校に入るために、受験前はよく涼介に教えてもらった。 特に英語は、爽にいちゃんの得意で好きな科目だから、できるだけ完璧にしたくて、私はよく涼介を頼っている。 いつもは私にだけ教えてくれるのに。今日は置いてけぼりで、面白くない。 涼介の横顔を見ていると、なんだかいつもと違う風に見えた。奈央が相手だからって、すましてるのかなぁ。 「なに?」 涼介が顔をあげた。見てたの、気づかれてたんだ。 「えっと、私もここ、分からない」 本当は自分で解けそうな問題だったけど、とっさにそう言ってしまった。 「どれ? ああ、これは前やった問題の応用だから」 涼介が私の方に来ると、どうしてか少しほっとした。
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