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「弟の涼介くんは? 生徒会入るんですかね」  小首をかしげて聞く奈央に、爽にいちゃんは困ったように笑った。 「あいつは、そういうの好きじゃないからなぁ。千里ちゃんも苦手だよね」 「うん、私は人前に立つのは苦手だしいいや。涼介も、苦手そうだね。爽にいちゃんとは正反対だし」 私が答えると、奈央は「たしかに、弟さんと似ていないですもんね」と言ってから考え込む。 「人気者の兄がいたら大変だろうになぁ。どうして同じ高校にしたんだろ」 と、不思議そうにした。 「そりゃ、涼介は爽にいちゃんが好きだからじゃない?」  私が言うと、爽にいちゃんは笑って首をふった。 「そこまであいつはブラコンじゃないって。涼介は、千里ちゃんを追ってこの学校にしたんだよ」 「え、私?」  思いがけない答えに、戸惑っていると、爽にいちゃんは「しゃべりすぎちゃったな」と続けた。 「はぁ。そういうことですかぁ」  奈央はしたり顔でにやにやする。何がそういうことなのか分からない。問い詰めても、それ以上爽にいちゃんも奈央も、答えてくれなかった。
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