27人が本棚に入れています
本棚に追加
私が座った席には、右手に奈央、左手に同じクラスだけど、話したことがない男の子が座っていた。
「えっと、島袋さんと、江藤さんだよね。俺は三宅」
男の子はほほえむ。細めの目が、少しだけ爽にいちゃんに似てるかなぁ。爽にいちゃんの方がかっこいいけど。
こっそり考えていると、奈央は「私のことは奈央でいいよー」と軽く返した。
「そっか、じゃあ、奈央ちゃんと……」
「あ、千里、です」
「千里ちゃんね!」
知らない間に名前で呼ばれることになってしまった。まぁ、いっか。
「千里ちゃんはどんな曲聴くの」
三宅くんは、どんどん話しかけてくる。
「えっと、エルブルーとかかな」
爽にいちゃんが教えてくれたバンドだ。爽にいちゃんが好きなものは、何でも真似するようにしていた。
「エルブルーいいよね、俺も好きー」
三宅くんとはなんだか気が合いそう。私もにっこり笑い返した。
最初のコメントを投稿しよう!