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「ま、いっか。これからは平日も、学校で会えるんだしね」
気を取り直したところに、涼介がまたいらないことを言う。
「全然よくないよ。あーあ、兄が生徒会長だなんてやりにくいな」
涼介はため息をついた。涼介は全然、生徒会長ってタイプじゃない。人をまとめるとか出来なさそう。
正直、人気もなさそうだし。爽にいちゃんの弟って知られたら、正反対過ぎてみんな驚くんじゃないのかな。
「じゃあさ、どうしてこの高校選んだの?」
この辺りには別の高校だってある。兄が生徒会長をしている学校が嫌なら、この高校を選ばなくてもよかったはずなのに。
涼介の顔をのぞき込むと、涼介はぷいと横を向いて「どうでもいいだろ」とつぶやくと、先に歩き出してしまった。
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