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あれから五年経った。
もう一度、赤いチェックのネクタイをきゅっと締める。ずっと憧れていた制服。
「うんっ。いい感じ、だよね?」
今日から、小さいころからあこがれだった高校生。爽にいちゃんと同じ高校にも合格できた。
私はネクタイを持ち上げてつぶやいた。同時に、あのときの爽にいちゃんの姿を目に浮かべる。爽にいちゃんに大人になったって認めてもらって、もう一度、告白するんだ。
私は高校への道を歩きながら、胸元にそっと手を置いた。
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