死を呼ぶ鳴き声

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死を呼ぶ鳴き声

自転車をゆっくり漕ぎながら、僕は家に向かっていた。 時刻は夜だ。 人通りの少ない道であった。 暗闇に、光る2つの目が現れた。 目をこらして見てみれば、黒猫だ。ゴミ置場のそばに佇んでいた。 猫は僕の方を見ながら、鳴いた。 まるで、なにか伝えようとするかのように。 にゃあ、にゃあ、にゃあ、にゃあ。 その猫を通り過ぎたところに、不気味なものを見かけた。 街灯の下に、こぶし大ほどの蛙が4匹もいたのだ。 その上、蛙らはすべて、潰れていた。 死骸と化していたのだ。
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