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一見、危険な行為を戒める母親の姿が、そこにあります。
実際「そういうことをすると危ない」「あなたが死んでしまったら、私は悲しい」という感情が、そうさせたのかもしれません。
そこには、子供のことを思いやる愛情があります。
しかしあの行為は、果たしてそれだけだったのでしょうか?
「けがでもさせたら、父親の両親に何と言われるかわからない」
「近所から白い目で見られる」
「言うことを聞かなかった、この子が憎い!」
そういう感情も多少はあったのではないでしょうか?
全てが悪とは申しません。
母親も人間です。
ただ、私をぶつときのあの目つき、執拗に叩き続ける異常な感情の高ぶりを振り返った時、あながち愛情だけだったとは、素直に言えない気がしてなりません。
このエピソードは、彼女にとっては遠い昔のことになっていると思いますが、それ以降、私は人から怒られることに対して、過剰な恐怖を感じるようになったのです。
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