例題①手をつなぐ

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朋美が「問題集の例題は私が作ってくるわ」と言ったのだが…、 秋人は《きっと、数学の問題集の事だろう》と思った筈である。 よもや…朋美が『恋愛の問題集』の例題を作って来るとは思っても みなかったろう。 軽い気持ちで秋人が『お試し恋愛を…』 と言った所から二人の意識が少しずつズレていったのだろう。 放課後に教室に残って、朋美は秋人に数学の宿題の分からない所を教えてやった。 そして約束通り、帰り道に『たい焼き2個』を朋美に奢ってあげた。 朋美 「秋人、サンキュー。」 そう言いながら二人たい焼きを頬張ると… 朋美は、昨夜考えた『恋愛 問題集』の例題①を思い出した。 例題①手をつなぐ ……である。 朋美は、恥ずかしさ…は あったが『お試し恋愛』を遂行しなくては……と焦っていた。 朋美は偶然を装って秋人の手を取った。 秋人は少し驚いて手を引っ込めたのだが…… 朋美は今度は秋人の手を むんずと握って離さなかった。 朋美は自分で作った『恋愛 問題集』の例題①を遂行した事に満足感を得たのだった。 秋人は手を握られた事を嫌がる事もなく、 まるで二人は付き合っている恋人同士に見えたと思う。 その夜に……朋美は例題②を考えた。 例題② ハグをする 朋美は考えながら…顔を赤く染めてしまう。 次の日の朝 秋人 「朋美~おはよう☆」 朋美 「秋人、おはよう☆」 朋美は少し顔を赤くしながら… 《今日は例題②に取り組まなくっちゃ☆》 と思うのであった。
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