番外編「初めての誕生日」

40/40
6591人が本棚に入れています
本棚に追加
/486ページ
……息をつくと、私の手が彼の手にぎゅっと握られた。 「……私は幸せな君しか映さないことを、 この指輪に誓って……」 私の初めての誕生日にオーダーをして、プロポーズの言葉と共に贈られた、左手の薬指のリングへ彼が唇を寄せた。 「……今度は、対の指輪を贈らせてください」 彼の言葉の意味に頬が赤く火照ってくる。 「それって、まさか……」 と、熱くなる頬を両手で挟むと、 「ええ、私と対になるエンゲージリングを、君へ贈りたい」 私の手の上から、彼の両手が優しく包み込んだ。 ……私の瞳の中に、いつまでも幸せなあなたが映るように この指輪に、そして対になる未来の指輪に、 あなたとの一生の幸せを、心から誓います…… end──
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!