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……息をつくと、私の手が彼の手にぎゅっと握られた。
「……私は幸せな君しか映さないことを、
この指輪に誓って……」
私の初めての誕生日にオーダーをして、プロポーズの言葉と共に贈られた、左手の薬指のリングへ彼が唇を寄せた。
「……今度は、対の指輪を贈らせてください」
彼の言葉の意味に頬が赤く火照ってくる。
「それって、まさか……」
と、熱くなる頬を両手で挟むと、
「ええ、私と対になるエンゲージリングを、君へ贈りたい」
私の手の上から、彼の両手が優しく包み込んだ。
……私の瞳の中に、いつまでも幸せなあなたが映るように
この指輪に、そして対になる未来の指輪に、
あなたとの一生の幸せを、心から誓います……
end──
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