第二章 冷酷な悪魔

37/38
6625人が本棚に入れています
本棚に追加
/486ページ
「……だから、(あなど)らない方がいい、この私を……」 ボソリと口にする。 「……侮る?」 「……ええ…あなたにも、いずれわかるでしょう」 私の頬に手をあてがい、 「……あなたも、自分から手中に落ちるのだと……」 既に手にしているかのような素振りで、(てのひら)を強く押し当ててくる。 「……私は、他の人とは違い……」 「いいえ、違いません」 反論する私を遮って、彼が言う。
/486ページ

最初のコメントを投稿しよう!