曖昧模糊な誕生日

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 バイト先からもらってきたおつまみセットと優哉くんのプレゼントを囲んで、二人で誕生会をした。  手はじめにビールを飲んでみたけど、美味しさがわからなかったので残りは優哉くんに飲んでもらった。  初心者はこれでも飲んでおけと白いサワーを渡される。  それはほとんどジュースで、暑かったのもあって一缶飲み干せた。  同じシリーズの桃のリキュールもジュースっぽくて、葡萄のリキュールもジュースっぽくて、あまりアルコールを飲んでいる気がしない。  あいかわらず部屋が汚いと笑いながら、優哉くんは僕の雑然とした部屋をあさり始める。 「おぉ! ネオディケ◯ドライバーだ!」  山の中から予約販売のみの貴重な玩具を発見し、優哉くんは嬉々として箱から取り出し遊び始めた。  まわりにこの変身ベルトの素晴らしさをわかってくれる人がいないので、正直、すごい嬉しい。  嬉しい、けど。
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