曖昧模糊な誕生日

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 共有スペースである憩いの場にまだまだあまってるおつまみセットを持ってきて、どういうわけか再度誕生会がはじまった。  梅酒はさすがにジュースじゃなくてアルコールって感じだった。 「四本目だけど酔っ払うって感覚、わかんないし」 「しょっぱなからそんなに飲んだの?」  軽く笑ってる蛇塚くんに、兄が大量の酒を持ってきたこと、ビールはふた口しか飲まなかったけどリキュールを三本飲んだことを教える。 「へー、全然顔に出てないケド」 「つまんないなー、酔わないのかな? やけ酒してみたい気分だったのに」  言ってから、なんでやけ酒したかったんだっけ、と思った。  忘れてた。  ついさっき、優哉くんがかわいくなってて謎の困惑してたんだっけ。  ついでに優哉くんが恋人とネ◯ディケイドライバーで遊びたいとか言い出して、恋人も特撮好きなのか話したいって僕も遊びに行く約束しちゃって。  優哉くんが玩具を手にニコニコしながら帰っていったから、なんかつれないなーと思って。  すごく好きだったけど、兄で、恋人がいる人で、愛しいという気持ちを捨てた人。  でもやっぱり、好きなことにはかわりないって、思い知って。  なのに。  どうしてかそれ、いますっかり忘れてた。
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