主人公原口匠の異世界農家を目指す

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(4) さて、匠さんの風邪がやっと治り始めてから2週間が経ち、咳も治まって来て匠さん日に日に元気を取り戻し、体調を崩す前と同じ様に元気に走ったり日常生活を取り戻した匠さん。でも少しの天気変化などで風邪をぶり返してしまう為、暫くの間は家の外に出ずに匠さんと源さんの2人で何の野菜を育てていくか2人会議を開きます。 「匠さん良かった~!風邪が治って本当に良かったよ」 「うん心配掛けて御免ね源さん」 「 ううん大丈夫だよ!俺も匠さんの事を物凄く心配したんだから」 と、源さん笑って匠さんに言います。 「さてと、何の野菜を植えて育てようかね?」 「 うーんそうだね?何の野菜を育てようかね?」 と、何の野菜を植えて育てるかを一生懸命に考える源さんと匠さん。すると源さん匠さんに、 「匠さんの生きてた時代には何の野菜があったの?俺にも教えて欲しいな!」 と、源さんに匠さんが生きていた前世の頃の野菜の事を教えてあげる匠さん。 「えっと俺が生きていた時代に春・夏・秋・冬の4つの季節があってそれぞれ植える野菜もその時期によって変わって来るんだよ!」 「ふむふむなるほど〜!匠さんのそのまま話を続けてくれるかな?」 「うん分かった」 と、源さん匠さんに言います。 「先ず春は3月〜5月で、その次は夏で6月〜8月で、その次は秋で9月〜11月で、そして最後の季節は冬で12月〜2月の4つの四季に分類されていくんだよ。」 「ふむふむ」 と、源さん匠さんに合いの手を入れながら話を聞く源さん。すると匠さんが、 「源さん確か、ウットオーシャン地方の季節は確か、冬の時と春の時の12月〜5月までで、その次は新緑の時の6月〜7月の短い期間だけで、今度は、梅雨の時の8月〜9月始めの長い期間で、そして紅葉の時の9月後半〜11月後半までだったよね?」 と、源さんに言った事を確認する匠さん。 「うんそうだよ。今の時期は梅雨の時でこの地方の雨期にあたりこのウットオーシャン地方の人達にとっては有り難い時期になるんだよ!」 「へぇ〜!じゃ、俺のいた前世の言い方をすると『恵みの雨』と言う感じになるのかな?」 「うん。確かに匠さんの言い方があってるのかもしれないよ!匠さん!」 と、源さんと匠さんの2人で笑い始めます。そして匠さんに 「もっと匠さんの知っている野菜の事を教えて欲しいな!何だか気になって来たよ!」 「うん分かった。じゃ、源さんお願いがあるんだけど紙とペンを持って来てくれるかな?」 「うん分かったけど紙とペンを何に使うの?」 と、源さんが匠さんに尋ねると匠さん、 「俺がいた前世の時の野菜を紙に書いていくから!」 「うん分かった。今、紙とペンを取ってくるね」 「はーい」 と、源さん作業台の中に入っている紙とペンを取り出してから匠さんに手渡します。 「 はい、匠さん紙とペンを持って来たよ」 「源さん有難う。じゃ、早速書いていくね!」 と、匠さん真剣な顔で紙に書いていきます。 『春(3〜5月) ・春キャベツ   ・明日葉(秋にも取れる)   ・新玉葱   ・芹  ・新馬鈴薯  ・山独活     ・芥子菜 夏(6月〜8月)   ・青唐辛子  ・トマト  ・インゲン豆 ・茄子  ・オクラ  ・ゴーヤ  ・南瓜  ・胡瓜  ・茗荷  ・レタス  ・獅子唐辛子 ・大蒜  ・玉蜀黍 ・山椒  ・空豆 ・甘唐辛子  ・枝豆   ・冬瓜 『秋(9月〜11月) ・しめじ  ・えのき  ・エリンギ ・銀杏  ・なめこ  ・慈姑  ・人参  ・青梗菜 ・蓮根(冬にも取れる)  ・牛蒡  ・里芋 ・茗荷 『冬(12月〜2月) ・大根  ・葱  ・白菜  ・ルッコラ ・菠薐草  ・小松菜 ・芽キャベツ  ・野沢菜 ・水菜 ・マッシュルーム  ・寒玉  ・ブロッコリー    以上』 と、四つの四季の野菜の一覧を何も無かった紙に書き終えた匠さんは大量に額にかいた汗を手でぬぐってから出来上がったばかりの紙を源さんに手渡します。 「はい、源さん。俺の前世の野菜をリスト化して書いてみたよ。本当はまだまだあるんだけどね」 と少し落ち込む匠さんに対して源さんは、 「ううん全然大丈夫だよ。匠さんが書いてくれた野菜のリスト表が分かりやすいよ。ふむふむなるほどね。匠さんのいた前世には野菜の時期がそれぞれ違って来るんだね?」 「うんそうだよ!夏になると『夏野菜』で、秋になると『秋野菜』と言う呼び名で呼ぶんだよ。そして夏野菜はとっても美味しいんだよ」 「へぇ〜!匠さんどんな野菜があるの?夏の野菜と秋の野菜。詳しく俺にも教えて欲しいな」 「うんいいよ。じゃ、先ず夏野菜の代表達はね、 『隠元豆、茄子、トマト、空豆、ゴーヤ、甘唐辛子、胡瓜、玉蜀黍、モロヘイヤ』などが夏野菜達だよ。野菜を籠の中に入れながら冷たい水の中に浸して食べたり、料理の彩りに添えてもいいしね!特に夏の時期はとっても食べたくなるんだよね!」 「へぇ〜そうなんだ!色々な料理に使う野菜も変えてるんだね?」 「うんそうだよ。だから夏の野菜はとっても美味しいから俺も好きだったよ」 「なるほどね!じゃ、夏野菜の次は秋野菜の代表達はどんな野菜があるの?」 「うーんそうだね!例えばきのこ類(エノキ、舞茸、エリンギ、シメジ、ナメコ)で根菜類(人参、蓮根、牛蒡)達になってくるよ。」 「へぇ〜なるほどね。それぞれ野菜の季節や野菜の収穫の仕方などもそれぞれ違って来るんだね?」 「うんそうだよ。野菜の時期や野菜の収穫の仕方もそれぞれ違って来るんだよ」 「へぇ〜!なるほど。匠さんの前世の野菜達は面白いな!」 と、なぜか興奮気味に話す源さんに匠さんもつられて、 「確かに今まで野菜のリスト化をした事は無かったけど季節や収穫時期が野菜によって違って来る事に改めて俺も実感出来たよ」 と、野菜の凄さを改めて実感した時間になった所で中々畑に植える野菜の種が決まらずにますます悩む源さんと匠さんの2人。 「うーん、源さん中々野菜の種が決まらないですね。どうしましょうか?何の野菜を植えていこうかな?」 「うーんそうだね匠さん。何の野菜を植えようか中々思い付かないから取り敢えず紅葉の時になったら考えようよ」 「うんそうしようかね」 と、悩んだ末に紅葉の時に植えるという結論に至りました。そして2人会議を終えてから源さん朝ご飯の支度をしようとしたけど料理の作り方が分からず首をかしげながら左手のアイコンを呼び出してからネット図書館で料理本を何冊か選び源さんの首からぶら下げている図書館の鍵を引っ張り出すと今まで無かった鍵穴に源さん用の鍵を差し込むと本人確認の表示画面が現れたと同時に本人認証が成立して源さんが借りたいアイコン画面からいくつかの料理本が今まで机の上に無かった借りた料理本が出てきたので匠さん驚きながらも源さんに恐る恐る尋ねます。 「源さん?その鍵は何の鍵なんですか?」 「あぁ、これはネット図書館の鍵だよ。この鍵があると本の貸し借りが出来る様になるんだけど、もしかして匠さんも本を借りたいのかい?」 と、優しく匠さんに言うと匠さん源さんに、 「うん、ずっと家の中にいるから何だか退屈になっちゃったから少しでもウットオーシャン大陸にどんな野菜があるのかをもっと知っていきたいし、何だか気になったりもするんよね!」 と、匠さん源さんにそう言うと源さん、 「うん、匠さん分かったよ!じゃ、今からネット図書館に聞いて見るよ!」 「うん。うわぁい源さん宜しくね」 「 はーい。了解!」 と、源さん、匠さんに優しく笑ってからネット図書館の書き込み欄に、 『本の借りたい人がいるのですがネット図書館の新規登録って出来ますでしょうか?宜しくお願いします』 と、ネット図書館への書き込みをして、ネット図書館の返信を暫く待っていると、ネット図書館からの返信が返って来たので源さん図書館の返信を確認してみると、 『利島源様、ネット図書館の新規登録出来ますよ!何方様が図書館の新規登録いたしましょうか?』 と、ネット図書館の返信コメント欄に書いてあったので源さん一旦図書館の表示画面を消して、匠さんにネット図書館の新規登録が出来る事を報告してみる源さん。 「匠さん!図書館の新規登録出来るって、匠さんどうするかい?」 「うん。俺ネット図書館の新規登録したいな!」 と、源さんが新規登録が出来る事を匠さんに話した途端に、嬉しそうな顔の匠さんの返事もとっても嬉しそうだったので早速匠さん源さんにネット図書館の新規登録をしてもらいます。 『原口匠様。此の度ネット図書館への新規登録誠に有難う御座います。早速ですが原口匠様の指紋認証をしていきたいと思いますので右手を置いて下さい。その後、原口匠様の生年月日の質問に答えた後、原口匠様の新規登録が完了となり鍵が出て来た所で本日から本の貸し借りスタートしていきますので宜しくお願いします。最後に原口匠様何か質問はありますでしょうか?』 と、ネット図書館のオペレーターの質問に匠さん、 「はい!大丈夫です」 と、元気よく答える匠さん。すると今まで気が付かなかった右手のスキャン台が現われていたので、匠さん驚きながらもゆっくりと現われたスキャン台に右手を置きながら今度はオペレーターの人との質問に答えていきます。 『さて、原口匠様無事に右手の指紋認証のスキャンが終わりましたので今度は原口匠様の生年月日を口頭でお聞きしますが宜しいですがですか?」 「はい大丈夫です」 『分かりました。じゃ、最初の質問です。原口匠様の生年月日を教えて下さい』 『私の生年月日は春の時の四月です。』 『分かりました。以上で原口匠様への質問が無事に全部終わりました。そして、全部の登録が完了しましたので原口匠様の鍵を受け取り下さい。有難う御座いました。またのご利用お待ちしています』 と、ネット図書館のオペレータの人との遣り取りが終わると同時にポッカリと天井から黒い穴が開き始めてから匠さん用の真新しい鍵が匠さんの手の平に落ちて来たので匠さん思わず、 「やったー!俺も遂に初めての本が借りられる様になったんだー!とっても嬉しいな!」 と、匠さん余りにもやっと念願だった本を初めて異世界で借りられる事に感動の様子の匠さん。そして感動しすぎていたので我に返った所で早速真新しい鍵を使ってウットオーシャン地方の野菜についての本を何冊か借りていきます。そして源さんに後ろの方から呼ばれます。 「匠さん、ちょっといいかな?」 「は~い、何かな?源さん?」 「うんちょっと刀(包丁鍛治)という本も借りて置いてもらえると助かるんだけどいいかな?」 「うん、分かったよ。包丁鍛治という本も今借りようとしている本と一緒に借りておくよ!」 「うん、有難う匠さん。宜しくね!」 「 は~い分かった」 と、匠さん源さんに頼まれた包丁鍛治という本についてふと匠さん1つの疑問が出てきました。 「 うーん、源さんに頼まれた包丁鍛治という本も初めて借りるけど、一体源さんは何について調べるんだろう?何だか気になって来ちゃったな!」 と、匠さん何故か包丁鍛治という本が気になって仕方がないので源さんに聞きたい衝動をグッと堪えて源さんに頼まれた本と自分の借りるウットオーシャン地方の野菜達について書かれている本を借ります。そして、梅雨草が遅れて一斉に花を咲かす頃、ウットオーシャン大陸にも雨が降り続く日が続き、家の中で匠さんと源さんの2人は図書館で借りた本を読み漁る日々となり、匠さんはウットオーシャン大陸にはどんな野菜があるのかを一心不乱に調べまくり、その結果、少しずつウットオーシャン大陸まだ知らない野菜がいっぱいある事に初めて知った匠さん。そして一方の源さんは、匠さんに頼んで借りて借りてもらった包丁鍛治という本を読みながら源さん時時真剣な顔で椅子から立ち上がり匠さんと同様に一心不乱に頭の中でみたり、匠さんが普段仕事で使っているタブレットを持って来て、包丁の元になる材料を一生懸命に悩んだ末に包丁の材料をタブレットで注文する事が出来た源さん。そして、まだまだ梅雨真っ盛り中の次の日の午後に家の外から『お~いお~い』と呼ぶ声が聞こえて来ました。 「あれ?外の方から誰か来ましたよ?源さん?」 「うんそうだね!一体誰の声だろう?夏希さん達でもないしな?うーん誰だろう。なんか聞き覚えのある声なんだよな!」 と、源さん、悩んでいると匠さんが、 「あ、もしかして海馬さんじゃないかな?海馬さんに頼んで作ってもらった水筒が出来上がってここまで持って来てくてたのかもしれないよ。源さん!」 「うん、匠さん。そうかもしれないね!早速海馬さんを玄関先でお出迎えしなくちゃ」 「うんそうだね。そうしよう」 と、源さんと匠さんの2人で来てくれた海馬さんをお出迎えをします。そして、海馬さんが無事に到着して、 「やぁ、源さんと匠さん元気だったかい?」 と、出迎えてくれた匠さんと源さんに挨拶をすると、 「海馬さんこの前まで匠さんが風邪を長引かせて寝込んでしまったんですよ。今は大分匠さんも元気になったんですよ」 と、源さんが匠さんの風邪を長引かせて寝込んでいた事を海馬さんに話すと、海馬さんも、 「あぁ、夏希さん達から話を聞いているよ。匠さん風邪で辛かったみたいだけど体の方はもう大丈夫なの?」 と、海馬さんに心配な顔で聞かれた匠さんは、海馬さんに、 「うん。もう大丈夫になったよ!確かにこの前は物凄く風邪と高熱で体中が辛くてさ。でも海さんと夏希さんと源さんと利一先生と夢幻先生達の御陰で無事に風邪を治す事が出来たけど、今はまだ病み上がりで風邪が振り返しちゃうと大変だから家の中で源さんと一緒に借りた本を読みながら只今一生懸命にウットオーシャン地方の事を勉強中なんだ!」 「へぇ〜!凄いね!匠さんも頑張っているんだね!凄いや!」 「うん、えへへ~!」 と、海馬さんに褒められて何だか嬉しそうに顔をニコニコと笑う匠さん。そして源さん海馬さんに、 「海馬さん所で頼んでいた水筒が出来上がって持って来てくれたんですよね?」 「うんそうだよ。すっかり匠さんと話に夢中になってたけど源さんが聞いたとおり、頼まれた源さんと匠さんの2人分の水筒が無事に出来上がったから2人に見てもらおうと思って持ってきたんだよ。そうそう後、源さん包丁の材料を頼んでこっちに届いたから渡そうと思って包丁の材料を持ってきたよ!」 と、海馬さん源さんがタブレットで注文してた包丁の材料を源さんの手に手渡すと、源さん驚いて、 「え?早!確か包丁の材料が1週間ぐらいに届かないって書いてあったからまさかこんな早く包丁の材料が届くと思っていなかったけど、有難う御座います。海馬さん。さて、自宅に入ろうか?匠さんはお茶の用意をお願いしてもいいかな?」 「うん、分かった。源さん先に家の中に戻ってるね」 「 は~い了解!」 「俺達も少し話してから家の中にはいるよ」 「うん分かった」 と、匠さんは源さんに家の中に先に戻る事を伝えると先ずは丁寧に手を洗いキッチンの食器棚からお客さん用の湯呑みと急須を取り出すと今度は薬缶の中に水を汲んでコンロの火を灯して薬缶の水を沸かしていきます。そして、薬缶の水が沸騰し始めた頃合に、外で話していた源さんと海馬さんが家の中に入って来たので、匠さん海馬さんに 「海馬さんいらっしゃい。くつろいでいって」 「うん匠さん。有難う。じゃ、お邪魔するよ。へぇ〜!この家に源さんと匠さんの2人で生活をしてるんだね?」 「 うん、そうだよ。毎日匠さんと交代で朝ご飯を作ったりしてるんだけど、この前まで匠さんの体調を崩しちゃってたからなんとか俺が畑の畝だけは作ってある状態で、まだ匠さんの風邪が振り返すと匠さんが大変だから梅雨が明けて紅葉の時になって来たらどんな野菜の種を植えて育てていこうかと匠さんと2人会議を開いて俺と匠さん悩みながら考えていたんだけど中々野菜の種が決まらなかったから図書館で何かヒントが書かれている本を借りて今、俺と匠さんが別々な本を読んで調べている最中なんだよ!」 「へぇ〜!だから部屋の彼方此方に色んな本が置いてあるんだね?匠さんと源さんの2人は今、どんな本を読んでいるんだい?」 と、海馬さん何だか借りた本が気になるのか源さん、匠さんに尋ねると、先ず源さんが、 「俺はね、匠さんに頼んで借りてもらった包丁鍛治という本と、三色作る時にいつも悩んじゃうから悩みを解決してくれる料理本を借りているんだよ!」 と、源さん海馬さんにそう言うと今度は匠さんが、 「そして、俺はね、ウットオーシャン地方の野菜についての本を借りて今読んでいるんだよ。まだ俺はこの世界の野菜の事がまだよく知らないから覚えようと思って今この本で勉強中なんだよ~!」 と、それぞれ海馬さんに図書館で借りた本の表紙の紹介をする源さんと匠さんの2人。すると、海馬さんが源さんと匠さんに、 「そっか〜!それぞれ源さんと匠さんの2人は本の調べ物が違うけど物凄く頑張っているんだね。じゃ、そんな頑張っている2人に俺から面白い野菜があるから教えてあげるね!」 「え?海馬さん、面白い野菜の情報を御存じ何ですか?」 「うん、でもその前に源さんと匠さんの2人の家に着いた時に大吾竹で作った水筒を持って来たって言ってたでしょ?今から源さんと匠さんに出来上がった水筒を御披露目するよ!その後にさっき言っていた面白い野菜の情報を教えてあげるから楽しみに待っててね。二人共!」 「はい、海馬さん。早く出来上がったばかりの大吾竹で作った水筒を見せて下さい!」 と、匠さんと源さんの2人は今か今かと早く出来上がったばかりの水筒の入った箱の蓋が開くのを待ち遠しい様子でそわそわしながら待っています。そしてついに、 「源さんと匠さんお待ちどう様。じゃ、水筒の御披露目といこうか!」 「おぉ〜!海馬さんついに待ってました〜!」 と、海馬さんの掛声と共に今まで固く閉じられていた水筒の木の蓋がゆっくりと開き始めそこから真新しい大吾竹で作られた水筒が出て来たので源さんと匠さんの2人は静かに真新しい水筒を見つめ思わず2人の口から、 「わぁ〜!美しい。これが大吾竹で作られた水筒かぁ~!なんて綺麗なんだろう!」 と、真新しい水筒に感動している匠さんと源さんの2人は海馬さんに水筒が綺麗だという事を伝えると、海馬さんも照れた様子で笑いながら、 「いやぁ〜!源さんと匠さんに真逆に言われると何だか俺思わず照れてしまうよ。水筒を作ったかいがあったよ。どうだい?源さんと匠さんの2人とも?俺が作った水筒気に入ってくれたかい?」 「うん、とても海馬さんが試行錯誤で作ってくれた水筒の事とても気に入りましたよ!」 「じゃ、水筒の事気に入って良かったよ。さて、今度は野菜の種についての事だけど話していいかな?2人共?」 「はい、あ、海馬さんそうでしたね!俺達余りにも水筒が綺麗だったからつい水筒に見とれててすっかり野菜の種の事を忘れてました」 「あははは・・・。まぁ源さんと匠さんの事がだから無理もないかもしれないね!2人共大丈夫だから一旦水筒に興奮気味になっている様だから落ち着いてお茶を飲みながら菜の種の話をしていこうかな!」 「 うん、ごめんせっかくお茶を入れたのに冷めちゃったけどもう一回お茶を入れ直した方がいいのかな?」 と、源さんと海馬さんに尋ねる匠さんに、 「うーん、そうだなぁ。あ、でもお茶はそのままでいいと思うよ。お茶を全部1から入れ直すのも大変だから一旦全部お茶を飲み干してからまた新しくお茶を入れてもらった方がいいと思うよ!」 「うん、分かった。じゃ、そうするね。アドバイス有難う海馬さんと源さん」 「うん」 と、海馬さんと源さんの2人からアドバイスを貰った後、椅子に座りお茶をすすり一息付いた所で海馬さんが、 「さてと、源さんと匠さんこれから野菜の種について話をするね。先ず最初は紅葉の時に植えて育てられる様になる野菜の種は『添削椚』と一つの野菜の種は『祭り大根』って言う野菜とそして最後の野菜は『秋の秋鷺』で終わりでこの3つの種が紅葉の時に植えられる様になる野菜達なんだ」 と、海馬さんに秋に育てられる種の事を静かに聞いていた匠さん。すると何かを思いついたのか匠さん急に椅子から立ち上がり、もう1つの机の上に置いてある匠さん用のタブレットを持って来たと思ったら気になった『添削椚』、『祭り大根』、『秋の秋鷺』の種を真剣な顔で調べ始める匠さん。 「うーんと、先ず最初は『添削椚』って言う野菜は、蔓科の野菜でどんどんと蔓を絡ませながら育っていく!へぇ〜!なるほどね〜!俺が前世にいた頃の『さやえんどう』みたいな感じなのかな?さて次の野菜は『祭り大根』って言う野菜は祭りの時期になると祭り大根の成長スピードが格段に早くなり、あっという間すくすく育ち、祭り大根の収穫が他の野菜より出来てしまう野菜かぁ〜!何だか不思議な野菜だなぁ!そして『祭り大根はアブラナ科』か。うーんアブラナ科って言うと菜の花になるのかな〜!面白そうで一体どんな風に育つのか楽しみになって来たな。さてこれで最後になる野菜は『秋の秋鷺』って言う野菜は今が秋の秋鷺の育ての時期にあたり、ゆっくりと他の野菜とは収穫する時間がかかるがとっても美味しい野菜。へぇ〜!なるほどね〜!この野菜も何だか気になるな。ふぅ〜!早くどの野菜達を植えてからどんな風に育つのかとっても楽しみになって来たけど、所で海馬さんと源さんどうかしたの?2人で固まった状態で」 「あぁ、ちょっとね」 と、海馬さんと源さんの2人は匠さんのいきなりの集中モードに入ってしまった為に思わず海馬さんと源さんの2人で固まってしまったので、匠さんに、 「いやぁ、驚いたよ。匠さん物凄い集中モードでいきなりタブレットをテーブルから持って来たと思ったらタブレットの画面と睨めっこの顔をしている匠さんの表情だったから俺達匠さんに話し掛けずらかったんだよ!」 と、海馬さんと源さんの2人で苦笑いしながら匠さんに言うと、匠さん、 「あ、源さんと海馬さん驚かせちゃってごめん。何だか海馬さんの野菜の種の事を聞いてて、俺、物凄く気になっちゃって、無我夢中で調べてたよ・・・あははは・・・」 と、笑いながら源さんに言うと、源さんは匠さんに、 「もう〜!偶に匠さんの変なスイッチが入ってしまうと急に気になる事を調べちゃう癖があるんだよね?匠さん?」 と、源さん少し呆れ顔で匠さんに言うと、匠さん、 「うん、ごめんね源さん。所で海馬さんと源さん、何とか3種類の『祭り大根』『秋の秋鷺』『添削椚』の種の事を調べ終わったけど、一体どんな風に野菜が育っていくのか取っても楽しみなんだよね」 と、匠さん海馬さんに言うと、海馬さんも、笑いながら、 「うん、そうだよね。特に祭り大根は本当に面白い野菜でさ、なんと大根の芽がお祭りのお囃子みたいな感じで踊りながらニョキニョキと土から出て来るんだよ! 」 「へぇ〜!あ、さっき俺がタブレットで調べてたら『祭り大根の成長スピードが早くなる』って書いてあったんだけど、そもそも祭りの時期は何時になるの?海馬さん?」 「うーんと今度のお祭りはもう時期だった筈になって来るね!今度のお祭りは花火大会になるよ!」 ,と、話しを聞いていた匠さんは、海馬さんの話しを一旦止めると、 「えっと、待てよ。じゃ、『添削椚』と『祭り大根』と『秋の秋鷺』の種は植え始めなくちゃいけないとやばいのかな?」 「うんそうだね。タブレットで調べてた時に書いてあったでしょ?『秋の秋鷺』についてはね」 「え〜っとじゃ、大変だ!祭り大根と秋の秋鷺と添削椚の種を急いで注文しないと間に合わない」 と、匠さんと源さんが急に海馬さんの話を静かに聞いていた途端に慌て始めたので海馬さん、 「ちょっと2人とも落ち着いて!少し前に話したけど花火大会までの時間はたっぷりあるし、まだ畑に植えるのも丁度いいみたいだからそんなに慌てなくても大丈夫だよ!源さんと匠さん!」 「あ!そうなんだ。良かった〜!じゃ、まだ時間がたっぷりあるから慌てなくてもいいんだね?」 「うんそうだよ。今度の花火大会は梅雨の時の最初の始め位でまだ花火大会までの時間はたっぷりあるから慌てなくても平気だよ!」 「そっかー!2人で慌てちゃったよ〜!でも花火って俺が生きていた前世の時に花火って水を嫌ったりするから外に花火玉を出せないけど大丈夫なの?」 と、海馬さんに尋ねる匠さん。すると笑い始める海馬さんは、 「あぁ、それなら心配要らないよ。この異世界では雨が降っている間は、小屋の中に入れて花火玉を乾燥させつつ花火玉には大敵な湿気から守っているんだよ!」 と、少しホッとした顔で、匠さん海馬さんに、 「へぇ〜!そうなんだ〜!俺が生きていた前世と似ている所があるけれど違ったりするんだね!」 「うんそうなんだよ」 と、海馬さんと匠さんと会話している一方、源さんは匠さんが真剣に調べていた『添削椚』、『祭り大根』、『秋の秋鷺』の種を匠さんのタブレットで注文してから丁度海馬さんと匠さんの話が終わった所で声を掛けます。 「匠さん花火大会の時期迄には何とか野菜の種は間に合うみたいだよ!」 「そうなんですか?源さん?野菜の種どれ位で届く?」 「うーんそうだなぁ?取り敢えず最短で3日でポストに届くみたいだよ!」 「え〜!最短で3日で3種類の種が届いちゃうんだね〜!源さん!」 「うん、そうだね。何とか花火大会迄には野菜の種を畑に撒けるから一緒に撒こうね!匠さん」 「うん、源さん!」 と、匠さんと源さんの仕事の遣り取りの会話を静かに聞いていた海馬さん。でも、心の中で必死に笑いを堪えていたのか海馬さん、匠さんと源さんの2人に、 「あはは・・・。匠さんと源さんの仕事の遣り取りって何時もこんな感じで話しているんだね!」 「いやいや仕事では無い時は源さんとは普通な会話で、仕事の時は今みたいな会話になっちゃうけど、何か変なのかな?」 と、匠さん海馬さんの質問に不思議そうに首を傾げながら、海馬さんに言うと海馬さんは、 「いやいや 、変では無いと思うよ!源さんと匠さんはいい師弟が築けているんだなと思っているんだよね!今まで息ピッタリな師弟関係って中々居ないからもっと源さんと匠さんの2人は増々いい師弟関係が築けていきそうな気がするよ!」 「え?本当ですか?海馬さん?」 「うん、本当だよ。匠さん!」
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