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『ねぇ、謝ったら許してあげるよ?』
『既読無視とかやめてほしいんだけど』
『私はどうしたらよかったの?』
『朱美は絶交でいいの?』
『謝ってよ、そしたら仲直りだよ』
『どうして無視するの?』
ごくりと息を飲んだ。絶交を言ってきたのに、なぜか和香は自分が返事をするまでラインのメッセージを送るのをやめようとしない。
わけのわからないスタンプがポンポン送られてくる。いつもは冗談で交わす、ゆるキャラがじっとこちらを見つめてくるスタンプは、もはや凶器だ。
全身の毛が一気に逆立つ。彼女の肝を確実に冷やしていた。
狂気すら覚える。
『なんとかいえよ!!』
朱美は、おそらく13年間の人生で一番恐怖を感じた。矛盾した行動を取られることほど、恐怖を感じないことはないのだと身を持って知った。
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