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まだ夏の暑さも残る9月初旬。俺、高瀬 晴樹はいつも通り、デスクで着々と仕事を進めていた。
もちろんデスク業務だけではない。
「社長。こちらの資料は…」
「あぁ、もうチェックした。」
「次のご予定ですが…」
そう言っておれの秘書の森岡は分厚い手帳を出してぱらぱらとめくった。今どきどこもタブレットなどで予定を管理するがこいつは「手帳の方が使い勝手が良いので…」と言ってずっとこのスタイル。
まぁ俺もそういう所がいいなって思ってるんだけどね。
「社長。では今夜の会食は…」
「分かった。ねぇちょっとコーヒー飲んできていい?飲みながらちゃんとデータチェックするから…」
森岡がため息をつく。
「はぁ…まったく…時間までには帰ってきてくださいよ。」
秘書の目に俺はどう映っているのか…きっと駄々をこねる子供のようにも見えたのだろうか…
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