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「オウコ~!」
「…ぁあ?」
…ん?リスは何処に行った?
「…ん。」
皇からシグナルが届く。あの洞窟か…全く元気な子リスだ。
フォトンを持って洞窟へと足を踏み入れる。
「ウ~♪」
「わぁ~!☆」
…明かり如きで騒ぐ。…こいつらの方が光を放っているかのようだ。
「と言うかお前は魔法使いだろうに。もしかしてフォトンも使えないのか?」
「いや、使えるよ?」
「…そうか。」
別にどうでも良い。
…フォトン(光子)は魔力(ルナール)を与えることで光る。
ルナールはこの星の生物が持ってる…血液のようなものだ。タッドルの生物は大体焼き魚のように水分が少ないのだが、ルナールだけは唯一液体として体に蓄えられている。
だから、魔力量に依っては死ぬ時に血が出る奴と出ない奴が…いや、今は止めとこう。
…まぁつまり、フォトンなんて誰にでも使えると言うことだ。向き不向きはあるけどな。魔法程難しいことじゃ無い。
「じゃあご飯にしよっか~♪」
「ウ~~!」
「…はいはい。」
おにぎりを1つ取り、壁に寄り掛かる。
「ウ♪」
リスが僕の隣に来て、僕に凭れ掛かる。…おい。…いや、尻尾があるから同じようには座れないのか。
「…しまった。椅子を用意するんだったね…。」
「…このままで良いよ。」
「ウ。ウ。」
「…ふふ♪本当に姉妹みたい☆」
「…。」
無視しておにぎりを齧る。
「ぁ、味覚設定の提案をさせて欲しいんだけど…」
「またか。」
「ウ~♪」
リスは夢中でおにぎりを頬張っている。具は入ってなさそうだ。…成程ね。自分で味を選べってか。
「梅干しとかどうかな♪」
「いや、子供に梅干しは早い。おかかだろ。」
髪とか茶色いし。
「ドッチ…?」
「まぁ、両方試してみて好きなものといっしょにおにぎりを口に入れれば良いんじゃないかな?はいお水♪」
「ウー。ウメ…ボーシ…?」
「おい。…佃煮無い?」
海苔の。
「…ごめん作ってない…」
そうか…。
「(ぱくっ)ウッ!?(ぱくっ)ウ~ッ!?」
行けるのか駄目なのかどっちなんだそれは。笑顔とは思えない顔でガツガツ食っている…。
「…。」
そう言う訳で海老味のおにぎりを食べる僕だ。…おにぎりにふりかけを掛けてるみたいで何か違う。
…梅干しにしようと味覚設定を薄味に変える。
…梅干しとレモンスカッシュって。と言うか梅干しに合う飲み物って何だ?烏龍茶?
「ウ~~♪フフフッ…☆」
「っふふ☆皆も喜んでくれるかなぁ…♪」
「…。」
…そうか…この星にはこう言う馬鹿が足りないのかもな。
「…良いんじゃないの?」
「え?」
「…ご飯が駄目ならお前はケーキを作れば良いんだよ。」
「う、うん?♪」
「大体、いっつもおんなじもんばっか食ってるからあんな性格になるんだよ。」
フランスパンの角に頭をぶつけてみろってんだ。
「…う~ん…まぁ、美味しい食べ物が一杯あればきっと楽しくなるよね♪」
「…ぁあ。」
信じてはいない。だが、やるべきなんだろう。人間とはきっとそうあるべきだ。
…農業とかはあんまやりたくないけどな。
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