その真実を私は知らないまま

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「 大丈夫?落ち着いたかな港ちゃん。」 「 ママごめんなさい。」 「 謝らないでいいんだよ、港ちゃん。安心してね。 疲れたから帰りましょう。」 「 ママ怒ってる?」 「 怒ってないよ全然。怒ってるように見えるかなぁ。 ここまでドライブして楽しかったもん。 帰ろうか。」 港ちゃんを後部座席のチャイルドシートに乗せて富士子はハンドルを握って呼吸を整える。 エンジンをかけると港ちゃんの最近のお気に入りのかけ算9x9の音楽が流れる。港ちゃんのいとこに私が買ってあげた物だが、 「 もう全部覚えたからいらない。」 と、港ちゃんの物になった。 港ちゃんはイントロから完コピしてるのに飽きる事なく聞き続ける。 事故をしないように安全運転でドライブする。 ( さっきのは一体何だったんだろう?) 富士子はハンドルを握りながら何を間違えたのか、それがどこだったのかを考える。
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