55人が本棚に入れています
本棚に追加
五月の親権に、女の子1人育てていくのには、十分すぎるくらいの養育費。
資格を持っていたから、結婚前の仕事に何とか復帰することもできた。
離婚としては極めて円満。
これ以上はないくらいの『勝ち』だったが、それでも私は、かなり苦しみ、傷ついた。
愛を誓ったはずの成紀に、頼むから別れてくれ、と言われた時。
相手の女性に会わせられた時。
弁護士の機械的な説明で、全ての事実を知らされた時。
それより前に、生活の端々に見ていた成紀の浮気の痕跡、その全てが繋がった時。
周囲の人の心ない嘲笑に、それぞれの両親への説明。
何もかもが、私のプライドや精神を、ひとつひとつ千切っていって、全部をボロボロにしていった。
最初のコメントを投稿しよう!