夏祭り

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五月の親権に、女の子1人育てていくのには、十分すぎるくらいの養育費。 資格を持っていたから、結婚前の仕事に何とか復帰することもできた。 離婚としては極めて円満。 これ以上はないくらいの『勝ち』だったが、それでも私は、かなり苦しみ、傷ついた。 愛を誓ったはずの成紀(おっと)に、頼むから別れてくれ、と言われた時。 相手の女性に会わせられた時。 弁護士の機械的な説明で、全ての事実を知らされた時。 それより前に、生活の端々に見ていた成紀の浮気の痕跡、その全てが繋がった時。 周囲の人の心ない嘲笑に、それぞれの両親への説明。 何もかもが、私のプライドや精神を、ひとつひとつ千切っていって、全部をボロボロにしていった。
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