永亮と僕とサッカーと

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「永亮、お願い。今日、一緒に帰ろう」 「え?」  意外そうな、永亮の返事。  そしてその後は、スポーツバッグを手にしながらの言葉となった。 「今、一番大事な時期だ、って解ってるよね? 何で?」 「永亮……」 「それに、また女子の制服なんか着て。痴漢狩りなんか、もうやめろよ」  永亮の、バカ。  自分のことばっかりで。  宇美や僕のことなんか、全然心配してくれないで。 「もう、いいよ!」  永亮のバカバカバカバカバカ!!!  頭をカンカンに沸騰させて電車に乗った海だったが、いつもの時刻に近づくにつれ心は冷えて来た。
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