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りんご
ひあたりに転がっているりんごに憧れていた
りんごの持つ幸福も喪失も知っているのは
私だけだと思っていた
本当に りんごに憧れていた
りんごが欲しくて仕方がなかった
でも あなたに会って
いつのまにかりんごのことは
どうでもよくなっていた
あれほど焦がれていたりんごなのに
むしろ あなたには
りんごのことなど知らないまま
私がりんごに憧れていたいたことも知らないまま
ひあたりで ただ笑っていて欲しい
そう思った
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