最ッ低な出会い

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 木花知流姫神(このはなちるひめのかみ)。  音花に生まれた女は、彼女に呪いを与えられる。花は咲けば散る。  私達がどんなに足掻いても、花のように散っていくのだ。  二十一歳無職。この三年間、足掻いてみたものの、やっぱり何もかもが上手くいかない。こんなの、やってらんないよ。  私は会社を飛び出して無我夢中で地面を蹴った。蹴って蹴って蹴りまくって家へ飛び込んだ。この家とももう時期おさらばだ。家賃を払えなくなって、(お母さんの貯金はあるけど使えない)路頭に迷うんだ。  ふと、お母さんの言葉が脳裏を過る。 『あんたで終わらせるんだよ、こんなふざけた呪い。だから、諦めないで。疲れたらあそこに行けばいいんだから』 「そうだ、恵まれない私と違って、恵まれてる人もいるんだ!」  急いでバックに荷物を詰め込む。行先は、決まった。 「出雲大社なら、福の神様がいる!」  自分の力でどうにもならないのなら、神様に頼ってでも変えてみせる!じゃないと私は生きていけないのです。
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