最ッ低な出会い

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 何だか対称的な二人。  突然現れた青年は、にっこり私に微笑みかけると、向かいの彼には意地の悪い笑みを送った。 「彼女の言う通り、誰だって幸せになりたいさ。神にあやかる者同士、仲良くしようよ」 「神にあやかる者?」  何気ない質問だった。何を言っているのかよく分からなかったから、聞いた。  なのにその途端、傍らにいた青年は、向かいの彼と並んで、妖艶な笑みをたたえた。  対称的な二人が並ぶとそれはもう、おとぎ話に出てくるような美青年で、私が立っているここはお話の世界なのではと錯覚するほど浮世離れしている。  朝焼けの彼は静かに、私にとって大変な事実を告げる。 「大国主神(おおくにぬしのかみ)の恩恵を受ける、神谷(かみや)奏明(そうめい)だ。こいつは大黒天の恩恵を受ける、神谷夜詩」 「え…え??」  出雲大社の主祭神。だいこく様は二つの名を持つ。  その二人の恩恵を、彼らを受けているという。 「だいこく様の恩恵を?」  信じられない。だから嘘でしょ?という意味も込めて問うと、朝焼けの彼はにっこりと「嘘じゃないよ」と返した。夕暮れの彼はふいっとそっぽを向いてしまったものの、何も反論してこないのを見ると、嘘ではない?  大変です。超絶幸福な方が目の前に二人も。私の真っ暗な人生に眩い光が差し込んだ瞬間でした。
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