可愛い後輩を可愛がり過ぎた結果

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その日から俺は3日間学校を休み。土日明けの月曜日にバスケ部の顧問の先生に朝一で退部届けを提出した。 理由は、大学進学の為に塾に通う事になり 時間的に部活動を続けるのが難しくなったからだと適当に理由をつけた。 強豪校で、テスト期間や長い休みにも合宿など練習があるうちの部活では上級生に上がるにつれこのような理由で部を辞める人も結構いる。しかも俺は補欠でなんの戦力にもならない。顧問はそうか、頑張れよ。と俺の肩を叩きその退部届けを受け取った。 これまでは彼女に休みの日も会えるという理由で辛い練習にも耐えられたが、フラれたうえに信頼していた後輩に裏切られ、俺がバスケ部でいる理由は何一つとしてなくなった。 約五日ぶりに教室で再会した彼女がとても申し訳なさそうな顔をして、俺を見つめてきた。俺はそれにどうにか笑顔を作り、おはよう。と挨拶した。彼女が悪い訳ではない、確かに俺はフラれたが、それは仕方がないことで他人の気持ちを俺がどうこうできる訳ではない。心はどうしようもないほど苦しいが、それでも彼女には幸せになって欲しいのだ 俺の誠意一杯の笑顔を見つめ、ホッとしたようにいつもの笑顔に戻った彼女を見て俺はやっぱり彼女が好きなんだと再び自覚させられる。苦しい程の胸の痛みをどうにか気付かないふりをして、自分の席につき、久しぶり会うクラスの友達と話をした。 昼休みになり、いつもなら京太とお昼を一緒にすることが多かったが、流石にあいつとはしばらくは一緒には居られない。 どんな理由があってあのような行動に出たのだろうか、本当は京太も彼女の事が好きで、我慢して俺の相談に乗っていてくれたのだろうか、俺が彼の先輩だから。そうだとしたら少し心苦しいが それでもあの行動は許せなかった あぁ、また涙がでそうだ。 この5日間嫌という程涙を流したのに、未だに枯れることを知らない俺の目はどこか機能が可笑しいのかもしれない。今だって昨日より大分マシになったものの、瞼が赤く腫れているのだ。 俺は鞄からお弁当を取り出し ついでに目薬も探しながら、ガサガサとカバンの中を覗き込んでいた。 すると昼休みの賑やかな教室が更に賑やかになった。 あちらこちらからキャーキャーと黄色い声が飛ぶ。 俺はカバン中に入れたはずの目薬を探すのに真剣で、その声が誰に向けられたものなのか気づかなかった。 その人物の声を聞くまでは、 「先輩、お昼行きましょ。」 もう何度も聞いたその声。 顔を見なくたって、その声の主が誰なのか分かる。 それに、その言葉は俺がいつもお昼を誘われる時掛けられていた言葉とまったく一緒だった。 俺はカバンに顔を突っ込んだまま、 彼が、いや、彼等が教室を出ていくのをじっと待った。 見たくない、そう思って
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