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オタク系女子です
『可憐で笑顔を絶やさない』
それが客人をおもてなしする上で、基本となる使用人の役割。日々の業務を果たすべく今日も、癒しをお届けに参ります。
数年前のこと。
最近では満員電車に乗ることが無くなり電車ラッシュに巻き込まれないよう、人が空いている時間帯を狙う。
行き先は秋葉原だ。最寄り駅から約1時間もかけて現地に到着した。
ここは、世界中のアニメを好きな人や働いている人ばかりだ。土曜日でも街中は変わらず様々な人達で溢れ返っている。
猫丸茜はしなやかに身体を動かし人混みの中をすり抜けた。人と人の隙間を見つけながら避けてゆく。
生まれも育ちも都会っ子のせいか分からないけれど、こういうのは慣れっ子だ。
何で秋葉原に来たかと言うと、漫画を買いに来た。わざわざ何で? となるだろうが、いつもの茜なら通販で頼む。
だけれど指定されたお店で漫画を買うと、お店限定の特典が付いてくるという情報を入手したからだ。
特典はランダムでキャラの冊子が貰える。勿論、茜には好きな推しキャラがいて、どうか当たりますよう神様に願うばかりだ。
ルンルンとした気分で心を躍らせ、お店へと向かおうとした。
すると何ものかに手を捕まれた。ジメジメと手の湿り気はなく何気冷たい手をした人物。茜の手より2回り大きな手で、きっと男性だろう。
ひー! 怖い! 誰か助けてっーーー!
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