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「お前、見たんだろ?」
学校の裏門で、ナツオに詰め寄る。相変わらず蒼い顔をしていたが、ナツオは「何のことだ」と言った。
「お面を被った幽霊だよ!とぼけんな!」
ナツオは一瞬表情を固め、その後泣き出した。泣きながら、少し笑っている。
「何笑ってんだよ!マサキが死んじまったって…どういうことだよ!あの幽霊は本物だったのか?それならお前だって…」
そこまで言った時、ナツオが泣きながら思い切り笑った。
「アホだな。それならお前も呪われてんだろ」
反射的に「は?」と言うと、ナツオはふぅっと息を整えてから話を続けた。
「お前がお面の幽霊と会ってたこと、俺も知ってるってことだよ。あまりにもお前がマヌケだから、悲しいのに笑っちまった。マサキも天国で笑ってんぞ」
何が何だか分からない。
ナツオは続ける。
「お前、幽霊とか呪いを信じない奴のはずだろ。まぁマサキ死んじまったから、混乱するのは仕方ないけどさ」
ナツオはポケットから手紙を差し出した。
「これ、マサキから。死んだら渡してくれって頼まれてたんだ」
封筒には『新庄鷹斗様』とマサキの字で書かれている。
「タカト、ちゃんと読んでやれ。俺は先に教室戻るから。あ、戻ってきた時に肩パンすんの禁止だからな!」
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