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その後、俺はひとり神社へ向かい、願い事を書いて木に結び付け、家に帰った。『マサキとまた遊べますように』。
月曜日、学校へ行くとナツオが朝のホームルームぎりぎりで教室に滑り込んできた。
肩パンしてやろうと近付いたが、心なしかナツオの顔が蒼い。すぐにチャイムが鳴って担任が教室に入ってきたので、俺は仕方なく席に戻った。
担任は、いつもより神妙な面持ちで教壇に立つと、静かに口を開いた。
マサキが死んだ、という話だった。
実感を与えてくれない悲しさに、俺は混乱した。
何を馬鹿なことを言ってるんだ?
マサキが死んだ?
嘘だろ?
自問を繰り返している内に、「あの子は助からない」というあいつの言葉を思い出した。
呪い、と言う言葉が頭を駆け巡る。呪いは、本物?だとしたら俺も?
ふと「ナツオ君は、私のせいで来れなくなったんだ」という言葉が蘇る。咄嗟にナツオを見ると、机を一点に見つめたまま、少し震えていた。
ホームルームの途中にも関わらず、俺はナツオの手を思いきり引っ張って教室を出た。
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